社長ノート
Kameemon Leader’s Note 2026年3月号
介護 × ウェルビーイング:心の豊かさが生む新しい介護の形
人は何のために生きるのか——。この問いに対する答えは、時代とともに変化してきた。かつては「経済的な成功」や「社会的地位」が幸福の基準だったかもしれない。しかし、現代ではそれだけでは十分でないことが明らかになっている。人生100年時代において、真に求められるのは、心の充実、すなわちウェルビーイングである。
介護の現場においても、この変化は無視できない。「単に長生きする」ことから、「豊かに生きる」ことへ——。 これこそが、私たちが目指すべき未来の介護の形である。
幸福の土台をつくる介護
ウェルビーイングは、単なる「健康」や「経済的安定」を超えた概念である。それは、心身の健康、社会的つながり、目的意識を持つことが不可欠な要素となる。
例えば、英国では高齢者施設の在り方が変わりつつある。従来の「介護を受ける場」ではなく、「社会とのつながりを深める場」へと進化している。施設内に図書館やカフェ、アートギャラリーが併設され、高齢者が「地域の一員として役割を持つ」ことを重視する 仕組みが取り入れられているのだ。
日本の介護現場も、この発想を取り入れるべき時が来ている。ただ生活を支えるのではなく、「その人らしい生き方をデザインする」ことが、これからの介護の使命となる。
介護者のウェルビーイングも重要
介護の未来を語るうえで、介護を提供する側のウェルビーイングも欠かせない。現場の負担が大きい、離職率が高い、心身の疲弊が深刻——こうした課題は、業界全体が直面する大きな問題だ。
ロンドンビジネススクール時代、リンダ・グラットン教授 はこう言った。
「組織の未来は、人がどれだけ幸せに働けるかにかかっている」
これは、介護業界にもそのまま当てはまる。介護者の幸福なしに、質の高いケアは提供できない。 だからこそ、業界として労働環境の改善に本気で取り組む必要がある。
新しい介護の在り方を創るために
私たちは、これからの介護をどのようなものにしていくのか。ウェルビーイングという視点を取り入れた介護の実践は、「支援される側」と「支援する側」の双方が共に豊かになる、新しい関係性を生み出す だろう。
そのためには、企業、自治体、地域社会が一体となり、「人が幸せに生きるためのエコシステム」 を構築する必要がある。単なる福祉サービスの提供ではなく、「生きる喜びを創る」 ことを目的とした介護の形を、私たちの手でつくりあげていきたい。
未来への問いかけ
2026年も、私たちは介護とウェルビーイングの新たな可能性を追求していく。皆さんは、「これからの介護」 に何を求めるだろうか? ぜひ皆さんの考えをお聞かせいただきたい。
亀右衛門 代表取締役社長 福嶋俊造


